ほとんどの住宅会社では、設計、営業、工務と明確に業務を区分けることで、より効率的な家づくりを目指します。
そうすることで、短期間に効率よくたくさんの家を建てることができるようになるからです。
それは、商売としての家づくりとしては正解なんでしょう。
ですが、職人として今も現場にでる私には、どうしてもそういうふうにわりきることができません。
もはや性分ともいえますが、今もお客様との打ち合わせから、設計まで自分で行い、現場にも出ています。
自分でも、図面を現場監督に渡して任せれば、もっと楽になるのになあと思う事もしばしばです。
しかし、改めてなぜ現場に出続けるかを考えると、それは、現場に出続けることで感じれることがたくさんあるだということに気づきました。
いうまでもなく、家は人の手で建てるものです。
同じ木材や素材と言ってもそのひとつひとつにはやはり違った味を持っています。
その味の具合を見て、どう納めるか、結果どういう風になるのかは、建てている人にしかわかりません。
最近、実はそこにこそお客様と家づくりの喜びを分かち合う秘密があるということを発見しました。
図面を渡して誰かに建ててもらうのではなく、お客様の顔を想像しながら自ら現場にでて作業をする。
完成したときには、自分の家かのようにうれしくなってきます。
そして建てた後に改めて家を見ると、
「ああここはこういう具合だったからこういう風に納めたなあ」
ということが昨日のことのように思い出せるのです。
そのことが後のお客様のフォローにもつながっていることを実感しています。
お施主様の家にいくと、自分がどういうふうに建てたのかがわかるからです。
家はまさに生き物。
これから長く共に暮らす家には、時には看てあげることも必要です。
それが家を長く持たせる秘訣だと思っています。
お客様と完成からずっと喜びをわかちあっていける家づくりが私たち鐵庄工務店の家づくりなんだと思います。
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